
スマートホームを自動化するには?
「スマート」とは「賢い」という意味です。スマートホームもその名の通り、デバイスから情報を収集し、あらかじめ設定されたルールに基づいて処理・判断し、自動的に動作します。こうした機能により、自宅のさまざまな機器やプロセスを自動化することが可能になります。しかし、実際にどのように動作するのでしょうか?この記事では、スマートホームの自動化の種類と、その始め方について紹介します。
スマートホームが持つ「自律的に動作する能力」は、強力な自動化機能の源です。ただし、自動で動くといっても、すべてのプロセスにはルールや仕組みが必要です。だからこそ、自分の生活に必要なことを明確にし、それをスマートホームに「教える」ことが重要になります。
本記事では、スマートホームの自動化を4つのタイプに分類しています。これは業界標準の分類ではありませんが、スマートホームが持つ機能を理解しやすくするための一つの見方です。
現在市場にあるさまざまなスマートホームシステムは、以下に紹介する複数のタイプの組み合わせを提供しています。もし特定の種類の自動化に興味がある場合は、どの規格や製品が対応しているかを事前によく調べたうえで、購入を検討するようにしましょう。
手動によるオートメーション
「自動」と「手動」は一見矛盾しているように思えるかもしれませんが、この“セミオート”のような仕組みは、あなたのひとつの操作が、複数の動作を一気に実行する強力な手段となります。
このタイプの自動化は、「シーン」や「シーケンス」と呼ばれることが多く、ボタンを押す、音声アシスタントに話しかけるなどの手動トリガーによって、一連の操作が順番に実行されます。レシピのように、「スマートホームがどのように動くべきか」をあらかじめ設定できる仕組みです。
日々の生活の中で、特定の状況において毎回同じ操作をしていることに気づくことはありませんか? たとえば、出勤前には音楽を止め、照明を消し、ロボット掃除機を起動し、玄関の鍵を開けて、門を開く…といった具合です。
対応するスマートデバイスを「シーン」に登録しておけば、「行ってきます」とSiriやHey Google、Alexaに話しかけるだけで、これらすべての操作を自動的に実行させることができます。
反応的オートメーション
反応的オートメーションとは、特定の状況変化に応じて、自動で動作する仕組みです。言い換えれば、ある「状態の変化」に反応してスマートデバイスが作動する、というタイプの自動化です。そのため、状況を検知するための専用センサーや条件設定が必要になります。
たとえば──
- 窓にセンサーが設置されていれば、その窓が開いた瞬間にエアコンが自動停止する
- 家族の最後の1人が外出してスマートフォンが「家の外」と判断されたとき、全ての照明が自動でオフになる
といった反応が可能です。
現在市販されているスマートセンサーの種類は非常に幅広く、土壌の湿度や照度、ドアや窓の開閉、動作検知、防犯対策まで、あらゆる条件をカバーしています。
つまり、「何かが起きたときに、家が自動で反応する」というのが、反応的オートメーションの本質です。
トリガー型オートメーション
このタイプの自動化は、マニュアル操作と自動化の中間のような仕組みです。特定のデバイスの動作をトリガー(きっかけ)にして、他のデバイスが連動して動くという特徴があります。つまり、「ある操作をしたら、それに続けて自動で別の操作が実行される」という連携動作です。
たとえば──
- テレビの電源を入れると、照明が自動的に暗くなる
- 朝、コーヒーメーカーのスイッチを入れると、ラジオが自動再生される
- ガレージのドアを開けたら、自動で門が開く
というような「ひとつの動作が、別の動作を引き起こす」オートメーションです。
このようなトリガー型オートメーションを活用すると、日常生活でよく行う一連の行動を、自然な流れで自動化できます。機械に命令するという感覚を持たずに、シームレスに快適なスマートホーム体験が実現します。
スケジュール型オートメーション
Tスケジュール型は最もシンプルなスマートホームの自動化です。特定の時間帯や曜日に、スマートデバイスが決められた動作を実行するように設定します。
たとえば──
- 平日の朝8時にエアコンを自動で停止
- 毎晩10時に防犯シャッターを自動で閉める
- 週に2回、ロボット掃除機を動かす
- 夏は植物の水やりを毎朝6時に、春は週に1回だけ
このような定時的な動作は、常に背景で機能し続ける家庭内の基本的な設備に最適です。
最初はタイミングの微調整が必要かもしれませんが、一度きちんと設定すれば、日常の手間が大幅に減り、自動で快適な環境が保たれます。まさに「手間のかからない暮らし」の実現です。